パイプ加工業
有機溶剤局排装置改善事例
有機溶剤の臭いが強く、頭痛がするなど障害が出ているので改善依頼がありました。
ステンレスの鋼材を切断する機械で、ロットを変える時にローラーを有機溶剤で洗浄します。
局排装置が付いていましたが、フードの設置と送風機の能力が適切でなく十分な効果が出ていない現場がありました。
有機溶剤の臭いが強く、頭痛がするなど障害が出ているので改善の依頼がありました。
改善前
[1] フード
有機溶剤は空気より重いので発生源により上に設置するのは効率が悪い
[2] ダクト
径が細く、抵抗が大きい
[3] 発生源
(ローラーの清掃で発生)
[4] 送風機
風量が足りない
形式が適正でない
(風量と静圧が適正でない)
↓
改善後
[1-1] 既存フード
既存のフードはこの後取り外しました。
2] ダクト
風量に合わせて交換しました。
抵抗が少なくなるように、径を決定。
[1-2] 新設フード
発生源の下に配置しました。
キャスター付きなのでメンテナンスの時、移動可能。
[4] 送風機
風量が出せるようになりました。
適切な設計が必要です。
写真の送風機は、風量75m3/分 2.2kw です。
[5] 排気ダクト
有機溶剤は屋根の上 1.5m以上に排気口を設置する規定があります。
有機溶剤を使用して作業するには、局所排気装置が必要です。
有機溶剤中毒防止規則により、労働基準監督署に届出が必要です。
定期自主検査
粉じん則、特化則、有機則などで定められるように、局所排気装置は1年以内ごとに1回、定期自主検査を行い、検査結果を3年間保存する必要があります。
当社では、集塵機の点検や、局所排気装置の定期自主検査を代行して承っております。
定期自主検査届出までの流れ
検査結果によっては改善が必要な場合があります。
その際は改善案の提示、改善工事も行っています。
1.集塵装置の概要の確認
- フードの形状
- ダクト径ルート
- 排風機の能力
- 除塵装置の概要
- その他排出装置等
↓
2.見積り
↓
3.定期自主検査の実施
- フードの制御風速の測定
- 排風機の能力測定
- 集塵装置の点検
↓
4.検査結果報告書の作成
↓
5.検査結果についての検討
検査結果によっては改善が必要な場合があります。
その際は改善案の提示、改善工事も行っています。
パイプ製造業の事例:鋼管切削粉エアーブロー用集塵装置
鋼管切削粉エアーブロー用集塵装置
パイプ製造メーカーの改善例です。
パイプの切断や面取加工工程で切断くずが発生します。
- 切断時に切削油をかけるので、パイプ内に切削油や切断くずが残留します。
- パイプの中に エアーを噴射して清掃する工程の集塵装置の改善を行いました。
改善前
切断くずと切削油がエアーで飛ばされ、 パイプから高速で飛び出す。 切削油も大量に出ます。 (写真は噴射の瞬間です。切削油が飛ぶのが見えます) |
フードの形状と風量が適切でないため、 切断くずが周囲に飛散する。 噴射した切断くずは速度が速く、フード付近で 跳ね返りが出ます。 |