板金加工業
溶接ヒューム用集塵機事例
改善前
溶接作業で発生する溶接ヒュームは1μm前後の大変細かい粉塵で肺に沈着しやすい大きさです。長期間暴露することでじん肺などを疾患する危険性もはらんでおり、溶接作業では局所排気や防塵マスクの着用が推奨されています。
改善後
塗装ブース設置事例
板金部材の塗装を行う工程において、塗装ブースを設置しました。
今回は大きいブースを1台、小さいブースを2台設置し、両者ともフィルターろ過した後、屋外に排気する方式をとりました。
小さいブースは幅800mm、大きいブースは幅1800mmであり、それぞれ防爆仕様とし、使い勝手を考慮して大きいブースには棚を設置しました。
ちなみに、有機溶剤を用いた塗装の場合、有機溶剤中毒予防規則に従い、有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を設けなければいけません。
もちろん健康に留意するならば全体換気装置では不十分であり、局所排気装置の設置が望まれます。
当社では作業状況に合わせた塗装ブースを提案いたします。
仕上げ工程における作業環境改善
仕上げ工程(グラインダー作業)の作業環境が悪く改善したいと依頼がありました。
現 状
グラインダーから発生した粉塵が飛散・浮遊して作業者や工場内の環境が悪い
改善後
プッシュフードで作業者に新鮮空気を供給して、プルフードで集塵しました。
囲いを設けてあるので工場内の気流の影響を受けず、作業者が粉塵を吸い込む心配がありません。
囲いの外に粉塵が飛散することもなくなり、工場内の環境も良くなりました。
グラインダー仕上げ用集塵機製作事例
グラインダー作業の環境改善のため専用集塵機を製作しました。
グラインダー作業では大量の火花が発生し、火花を集塵フードに向けるように作業を行うため、通常の集塵機では火花がフィルターに達し、フィルターが燃えて火災になってしまいます。
本機では、フィルターに火花が達しないように衝突板と金属製の一次フィルターで火花を捕集します。
さらに、二次フィルターにより粉塵を捕集します。
万一火災の発生した時は消火器の投入口があるため安心です。
集塵機とフード(吸入する開口)が一体のためダクト工事が不要です。
設置後の移動も容易に出来ます。作業場の状況に合わせてご使用出来ます。
LEDライトでワークスペースを明るく照らします。
仕様
風量 | 30m3/min |
動力 | 2.2kW |
フィルター構成 | 開口部衝突板 (慣性集塵) 一次フィルター 金属製フィルター(不燃) 二次フィルター テトロンフィルター |
塵落とし方法 | パルスジェツト式(要コンプレッサー) |
LEDライト
作業状況によっては粉じん障害防止規則により定められた制御風速が得られない可能性がありますので、作業に応じた適切なフードの取り付けをお勧めします。
安全を重視する場合、火災発生時の自動消火システムもオプションで付けることが可能です。
排風機防音室施工事例
写真は排風機の防音対策の施工事例です
排風機から発生する騒音を吸音、遮断する防音室を導入しました。
排風機、設置スペースに合わせて設計製作しています。
電源 | AC200V-50Hz |
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動力 | 5.5kw-2P |
風量 | 80m3/min |
静圧 | -2.5kPa |
騒音測定結果
防音室無し : 92dB(A)
防音室導入後: 64dB(A)
塗装ブース導入事例
仕様 | |
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フード形式 | 囲い式(制御風速0.4m/秒) |
大きさ | 3m(横)×2m(縦) |
風量 | 200m3/min(縦) |
動力 | 5.5kW |
フィルター | 2層式 |
有機溶剤を使用する塗装ブースの製作事例です。大きめのパネル等の塗装をするため、ブースの大きさは余裕を持った設計としました。
前後2層式のフィルターにて溶剤を捕集し、それぞれに差圧計を設けたためフィルター寿命を管理可能です。有機則(有機溶剤中毒予防規則)により塗装ブースでは必要な制御風速が定められています。差圧計等でフィルター管理を行い、必要制御風速を保つ必要があります。
ファンはインバータ駆動として、風量調整可能としました。
備考
- 有機則(有機溶剤中毒予防規則)により排気ダクトは屋根上1.5mまで上げます。
- 塗装ブースの新規設置には労働基準監督署に届出が必要です。(工事着手の1ヵ月前)
- ワークが大きい場合や塗装に必要な作業範囲が広い場合は、プッシュフードを追加してプッシュ・プル換気にする事をお勧めします。
消火設備つき集塵機の設置事例
消火設備つき集塵機
集塵機内部で火災が起きた際、火災を検知して自動で消火してほしいという要望を受けました。そこで、消火設備付きの集塵機を制作して納入しました。
火災が発生した場合、以下のような動作をします。
熱感知器が反応する条件 | 動作 |
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炭酸ガスが充満し消火 |
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火災発見 |
今回の事例では、風量50m³/minの集塵機で集塵機の容量が1³程度であったため6.2kgの消火剤を選定しました。
火災対策としては、この事例のように自動消火設備まで付帯する方法もありますし、簡易的に消火口のみ設けておいて火災が発生した場合に作業者が消火器を作動させて消火する方法もあります。ご要望に合わせて設計致します。
※材質にもよりますが多くの場合、細かい粉じんは可燃性があります。集塵機内に火花などの火種が吸い込まれるとフィルターに付着した粉じんに着火して火災が発生する可能性があります。また、集塵機内では粉じんが堆積した粉じんが油分を含んだり高温に晒される等の悪条件が重なることで自然発火の可能性もあります。万が一を考えたら、火災対策を行っておくべきです。
鉄鋼業・換気に関する事例:溶接ヒューム局所排気装置
金属加工の溶接作業で発生する溶接ヒュームは、人体に吸入すると金属熱や悪寒、吐き気、頭痛などが起こります。長期間溶接ヒュームを吸入すると、じん肺や肺気腫の原因となります。
その対策として局所排気装置を導入しました。
作業者の顔面を通過しないように吸引方向やフード形式をの設計し、溶接作業者だけでなく周囲にいる作業者も溶接ヒュームから守ります。
現実的なもっとも有効な対策と言えます。
作業に合わせてフードの位置が調整できるようにフレキシブルフードにしてあります 。 | 溶接ヒュームは粒子が小さく、フィルターが目詰まりし易いので、特殊な乾式ィルターを採用しています。 コンパクトなので置き場も小さくてすみます |